三菱自工

ダイムラーが突然三菱自工への支援打ち切りを発表しててんやわんやの大騒ぎととなったのは昨日のこと。当初ダイムラー保有する三菱自工株式37%全部を放出するとの情報が流れすわ三菱自工崩壊かとも噂されたが、数時間後ダイムラーがこの点については明確に否定し、今後の問題は第三者割当増資の引受先がどうなるかなどとなったが、依然自体は不透明かつ流動的だ。
私は当初ダイムラーが手を引いてくれるのは結構なことだと思った。景気の回復も見えてきた今日、しかも色んな問題が生じて株価も低迷中の中、ダイムラーの方から三菱自工を日本へ返してくれるなど天佑以外の何ものでもないと感じたからだ。一瞬、一連の自工側の問題は実は三菱側から仕掛けたものかと勘繰ったくらいだ。しかし、ダイムラーは大型車部門は手放す気はないとようで、不良債権化している乗用車部門の処理を三菱グループに押し付けて、自工の中でもまだしも「まし」な大型車部門というご馳走だけをいただこうという腹のように見える。もっとも、ダイムラーとしては自工の乗用車部門はアジア戦略の要石のはずで、そう簡単に乗用車部門を手放すとも思えない。やはり、三菱グループの負担で乗用車部門の再建をやるだけやらせたうえで、利益だけは自分がごっぽりとか思っているんだろうか。何にしても、水面下では三菱グループダイムラーとの国家を巻き込んだ駆け引きが行われている最中ではないか。行方に目が離せない。